地球に暮らす日々

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映画「ドラゴン・ブレイド」 古代ローマ軍とシルクロード36部族の戦闘

      2017/03/05

中国語の勉強で使っていた教科書に、「中国甘粛省の辺境の村に、前漢時代に移り住んだローマ兵の子孫がいる」、という話が載っていました。

紀元前50年ごろ、ローマ軍が、パルティア国と交戦中、クラッスス将軍の長男が率いる一個師団が、行方不明になってしまったが、その子孫ではないか、という史実を検証するお話しです。シルクロードロマンに溢れる話もあるものだなあ、興味深く読み、ブログに翻訳文をアップさせていただきました。
中国甘粛省 者来塞村 ―古代ローマ人の末裔たち―

先日TSUTAYAへ行くと、この史実をもとに作られたという映画のDVDを発見。

主演・監督ともに、ジャッキーチェンということです。わお、一体どんな映画になるの?と、大いに期待し、借りて見ることになりました!

ドラゴン・ブレイド [DVD]

以下、感想でございます。ネタバレてんこ盛りなので、ご注意を。

1.まずは、あらすじを

アマゾンからの引用によると、あらすじは、以下のとおりです。

紀元前50年、シルクロードでは36の部族が紛争を続けていた。
西域警備隊の隊長フォ・アン(ジャッキー・チェン)は、陰謀によって反逆者の汚名を着せられ、西域辺境の関所・雁門関に送られてしまう。

一方、ローマ帝国の将軍ルシウス(ジョン・キューザック)は、暗殺された執政官の末息子を守るため軍勢を引き連れてシルクロードに逃れてくる。
国の違いを越えて友情を深め合うフォ・アンとルシウス。

だが、そこにティベリウス(エイドリアン・ブロディ)率いるローマ帝国最強の大軍勢が攻め込んでくる。
フォ・アンは36部族に共闘を提案するが…。

最近、偶然にも、甘粛省の省都、蘭州市の民族構成比を知る機会がありましたが、36民族ということでした。この映画の36部族という設定と重なりますね。

映画では、執政官クラッススの長男であるティベリウス、という男が最大の悪役となっております。父を殺し、弟の目を失明させ、シルクロード地方の征服をもくろむ、という極悪非道の役。

でも、フォ・アンやルシウスのような、嘘くささが漂う善人の役より、この人の役のほうが、己の欲望に忠実ゆえ、清々しく、好感がもてました。

2.中国サイドの人々は、みなさん語学が堪能

この映画を吹き替えなしで見ると、中国サイドの人々が、主に中国語を、ローマサイドの人々が英語で話しているのがわかります。

映画冒頭、部族同士の争いの中、フォ・アンが「みんな戦いをやめろーっ」と、中国のどこかの少数民族の言葉で叫ぶシーンがありましたけどね。フォ・アンは、いろんな民族の言葉が話せるのね、と、ここは違和感なく納得。

ローマサイドの人々が、英語を話すのには、ちょっと違和感がありました。ラテン語は無理だとしても、せめてイタリア語にしてほしかったです。まあ、ハリウッドでローマを題材にした映画は、英語が多いし、イタリア語が話せる役者さんは、そういないから、英語でもいいか。東洋の言語のシェアNO1が中国語(マンダリン)だし、西洋の言語のシェアNO1が英語だものね、と納得。

しかし、フォ・アンが普通に英語を話すのには、かなりの違和感を覚えました。あの時代、いったいどこで覚えたの。オンライン英会話もなかった時代に、留学もせず、あんな複雑な会話ができるようになるなんて。前漢の時代、シルクロードを通って、西から様々な人々がやってきたというから、そしてローマ帝国は広大であったというから、ローマ軍が来る前にも、英語(ローマ帝国の言葉)を話す商人などが、普通に漢の領土内にいて、フォ・アンはその人たちとも交流があったのだろうか、と無理矢理納得。

そして、36部族の族長のみなさんも、英語が堪能。ティベリウスと通訳なしで、普通に英語で話してます。こういうのに難癖つけてはいけない、とわかっていますが、英語や中国語を必死になって勉強している私にしてみれば、この人たちが不自然に思えて仕方なく。

ちなみに、ローマサイドの人々は、英語オンリーです(笑)。

3.途中、ちょっとわかりにくいストーリー

ルシウスが率いたローマ軍と、36部族の囚人たちが、協力して、雁門関の砦を、定められた期限までに建設。各民族の旗をつなげて掲げて喜び、民族を超えた一体感に浸るところまでは、わかりました。

その次に、いきなり、フォ・アンの妻と、妻の生徒の子供たちが、漢の兵士に襲われるシーンになります。そして、それを助けようとするフォ・アンと、フン族の女戦士ムーンが登場。

のちに、ティベリウスが漢の誰かと陰謀を組んで、フォ・アンの一家を殺そうとしたのは、わかったのですが、雁門関にいたはずのフォ・アンがいつ家族のもとに戻っていたのか、よくわかりません。

まして、ムーンは、フォ・アンについて、雁門関に行ったわけでもないのに、どうして、フォ・アンの居場所がわかったのでしょうか。

DVDでは、多少、映画の本編からカットされている部分があるのかなあ、と感じました。

4.民族を超えて、人々は友達になれる!という理想のわりに、人が死にすぎる

「敵を友と為す」のが理想の、西域警備隊のフォ・アン隊長の姿は、ご立派だと思いますが、今でも続く中国の民族紛争、および、国家間の戦争を見るとですね、素直に応援できないのですよ。

何よりも、ティベリウス率いるローマ軍と戦う、36部族の人々が死にすぎます。策も何もなく、ただ切りかかるだけの族長たちは、頭が悪いんでしょうか。

ローマの善人将軍ルシウスが死に、ルシウスが守る盲目の少年プブリウス様が死に、少数民族の大部分の族長が死に、ついには悪役のティベリウスも死んでしまいます。結局、ティベリウスを手にかけたのは、フォ・アン。おい、おい、「敵を友と為す」じゃないの?正当防衛だから、仕方ないの?

そして、民族の統一を掲げるフォ・アン隊長は、生き残るんですよね。ローマ軍による、シルクロードの征服も阻止されました。中国、強い、正しい、バンザーイってな、メッセージが伝わってきます。ということで、キャストもセットも豪華な割りには、随所に、胡椒臭さが感じられ、感動できる映画ではありませんでした。

あまり深く考えることなく、ローマ軍や各民族軍の衣装とか、華麗なアクションシーンを楽しむとよいのかな。






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