20年ぶりで、再び見たよ 香港映画「恋する惑星」
2018/05/05
1995年公開、大ヒットした香港映画、「恋する惑星」。香港が中国に返還される前後、香港のお隣の町、中国シンセン市に住んでいた私は、この映画を今は恐らく存在しない、VCDというもので、見ました。
悲しいかな、当時、ストーリーがよくわからなくて、飽きてしまい、途中で寝てしまったのです。字幕が広東語なので、よくストーリーが理解できなかったから?と、心の底で、気になっていたところ、先週TSUTAYAで、この映画のDVDを発見し、見ることに。
以下、ネタバレありの、映画の感想です。
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「恋する惑星」を見る前に、まずは予習
映画を見て、またしても、ストーリーが理解できないのではないか、という不安があったため、見る前にネットで、あらすじなどをチェックしました。
例えば、Wikipediaによると、
だそうです。
つまり、この映画は、警官223号とドラッグ・ディーラーの女のストーリーと、警官663号と飲食店の店員フェイのストーリーから成るということですね。
そして、ほかのサイトをいろいろ見て、やっと分かったのですが、この2つのストーリーは、ほぼ独立していて、共通しているのは、二人の警官が、飲食店〈ミッドナイト・エクスプレス)によく行く、ということなんですね。
それが、わかって、ほっとしました。初めて見たとき、話の途中から警官223号とドラッグ・ディーラーの女が全く出てこなくなったので、いったいどういうストーリーなんだとわからなくなってしまったので。
ということで、レビューも二つのストーリーに分けて書きます。
警官223号とドラッグ・ディーラーの女のストーリー
映画が始まり、インド人らしき男たちが、薄汚くごちゃごちゃしたビルの中にいる。その中を、闊歩していく、金髪のカツラをかぶり、サングラスをかけた東洋系の女。あ、ここってもしかして、チョンキン・マンション(重慶大厦)かしら?と思っていると、映画タイトル「重慶森林」が、ババーンと画面に現れます。
邦題は、「恋する惑星」だけど、原題は、「重慶森林」なのね、ということは、チョンキン・マンションというビルを舞台に、様々な人々が織りなす、様々な人恋愛物語を描く映画なのね、と思っていると、
金城武が扮する警官の、ナレーションが入りました。北京語です。えー。香港、中国返還後、香港人はわりと普通に、北京語を話すようになりましたが、1990年代は、まだまだ北京語を話す人って、少なかったんですよ。街中で、北京語を聞くことは、ほとんどありませんでした。
なので、初めて、この映画を見たときは、香港映画なのに、なんで、北京語でナレーションなの?と、かなり違和感を感じました。
続いて、ブリジット・リン扮するドラッグ・ディーラーの女のナレーションも入るのですが、やっぱり北京語。なんでー?二人ともあんまり広東語が得意じゃないので、こういう展開になっちゃったんでしょうか。ちなみに二人とも、ストーリー展開中、北京語、広東語、英語を操り、警官223号にいたっては、日本語まで話してます。「パイナップルが好き?」と四か国語で話すのには、笑えました。
ま、香港、いろんなところから、移民で来ていますからね。こういう人は、普通ってことですか。
警官223号がドラッグ・ディーラーの女をくどくシーン、ぐぐっときました。女は、てんで相手にしていなかったけど、私なら、くどかれちゃう。ドラッグ・ディーラーの女に殺されてしまう、白人の男もなかなかタイプですが、殺された理由は、なんとなくでしかわかりませんでした。
あと、黒電話とポケット・ベルに時代を感じました。誰も、携帯電話を使っていないし(笑)。
警官663号と飲食店の店員フェイのストーリー
金城武扮する警官223号が、いつものごとく、飲食店〈ミッドナイト・エクスプレス)に立ち寄り、そこのご店主に、新入りの店員フェイを紹介されて、一話目のストーリーは終了。
以降、警官223号は、登場しません。初めて見たときは、それがわからなかったので、いったい警官223号は、どうなったのか、と苦しみました。以降、同じく常連客の警官663号に、フェイが恋をしていくというストーリーに、きれいに切り替わります。
ついでに言うと、ミッドナイト・エクスプレスは、周りの景色から香港島にあることが判明。チョンキン・マンションがある九龍半島ではないのです。以降、チョンキン・マンションも全く出てきません。なのに、なぜ映画のタイトルが「重慶森林」なのでしょうか。
二話目のストーリーは、一話目に比べて、恋愛映画として、わかりやすいです。トニー・レオンのほうが、金城武より演技うまいし(笑)、ミッドレベルのエスカレーターを含め、香港の様子がよく映っているし、みんな広東語しか話さないし。
トニー・レオン扮する警官は、あ、こういう男の人、いそうって、好感が持てるのですが、フェイ・ウォンが扮する店員の女の子は、エキセントリックで、ちょっと好きになれませんでした。好きな男の人のアパートの合鍵を、偶然手に入れると、勝手に入って、部屋の模様替えしちゃうし、かと思いきや、デートに誘われると、すっぽかしたりするあたり。
終わりに
初めて見たときより、20年後、二回目に見たときのほうが、よりストーリーがわかったのですが、残念ながら、カッコイイ、あるいは、おしゃれな恋愛映画には、見えませんでした。
香港って、景色も人の振る舞いもごちゃごちゃしているねえ、と思いましたが。それが、この映画の見どころ?
いろいろと、わけがわからない展開がありましたが、それってもしかして、監督が、香港が中国に返還される直前の、より混沌とした状態を描きたかったのだろうか、と深読みをしてしまうので、ありました。
うーん、あと、初めて見たときはまだ若かったから、失恋の苦しみがあまりわかりませんでしたが、二回目に見たときは、何度か恋愛経験を重ねた後だったので、警官2人の奇異な様子を見て、「あ、わかる。」って共感できました(笑)。
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