違和感を感じながら、ディズニーの実写版『ムーラン』を鑑賞
数年前にディズニーアニメの『ムーラン』が実写化されると聞き、ずっと楽しみにしていました。しかし、公開されてみると、あまりにも評判が悪く、あえて見ようとしなかったのですが、ディズニープラスで無料配信されていると知り、鑑賞した次第です。
個人の純粋な感想で、ネタバレありです。
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やっぱりあまりおもしろくなかった。。。
ムーラン役の劉 亦菲(リウ・イーフェイ)さんが、きれいで可愛くてよかった。。。この作品のよいところは、それぐらいかなあ。そのほかは、常に違和感いっぱいで見ていました。
Amazonなどで購入すると、2000円~4000円かかるので、ディズニープラスの1か月無料体験中に見るのがおすすめです。で、ひきつづき感想。
ムーランって福建人だった?
西洋人が作った作品だから、作品中に書かれる文化や歴史設定に誤りがあるのには、仕方がないと思いますが、話の初頭からムーランが土楼に住んでいるシーンに、ひっくり返りそうになりました。
ムーランって北魏時代(386年 - 534年)の伝説なんですよね。北魏は、今の中国の北方にあった国。そして、土楼は、12世紀から建てられた集合住宅で、中国の南方(福建省)にあるのですよ。
制作スタッフの中に、中国系の人もいたと思うのですが、なぜ誰もこの設定に反対しなかったのでしょうか。
異民族が侵入したのは、ムーランが住んでいるところから、3000キロ以上離れた、中国西北部の町で、住んでいる人たちも、中国人には見えない人たち。(ウイグル族にも見えない)。土楼に住んでいる人たちには、全然関係のないお話だと思うのですが。
たとえ都から徴兵のために使者が来ても、土楼にこもって無視すればよかったのに。
自身が昔、福建へ土楼を見に旅行に行ったので、ムーランと土楼の組み合わせへの違和感は強いです。
魔女とかフェニックスって中国ものに合わない
まずは、コーン・リー演ずる魔女に違和感。ムーランに魔女が出てくるのは、この作品のオリジナルです。魔女がこの話に必要だった理由がわかりません。魔女が悪役と共謀したり、ヒロインが人々に魔女と呼ばれてしまうのは、ヨーロッパの中世によく出てくる設定で、あれ、中国の話なのになぜ?と思いました。
ファ家の守り神として、フェニックスが登場していましたが、フェニックスって中国では皇后の象徴なので、なにか違和感。フェニックスはムーランに言葉をかけるのでもなく、助けを出すわけでもなく、ただ飛んでついていくだけ。フェニックスの造りが安っぽくて、紙でできた凧に見えました。実際、画面から糸が見えたし。
西洋思想の押し付け
ムーランがあえて自分から女です、と暴露してしまうのも、なんか違う~。長い髪をなびかせて、戦うムーランのバックミュージックに、アナと雪の女王のテーマソング「ありのままの姿みーせるよー」が聞こえてくるような気がしました。
ありのままでよいのです、他人と違ってよいのです、自らの存在を他人に認めさせるのです、という西洋的主張が、暑苦しく感じました。
あと、ラブストーリーがないんですよね。女の子だからと言って、恋愛するとは限らないのよ!というのが、最近のディズニーにある傾向ですが、ハッピーエンドでなくてもよいから、なんか浮いた話も混ぜてくれないと寂しい。。。
予告編のご紹介
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