洋書に挑戦 『テス』 英国ヴィクトリア朝の貞操感が生んだ殺人
2020/01/14
英文を読むのが遅く、かつ、読んでもなかなか頭に入っていかないので、辞書を引かなくてもいいくらいの英文を多読しようと決めました。しかし、英語だけで、理解する自信がないので、今のところは、すでに知っているストーリーに限定して読んでいます。
今回、読んでみたのは、英国文学の名作といわれる『テス』("Tess of the d'Urbervilles")です。ストーリーは、以前、映画で見て知っています。
本は秋田市立図書館で借りてきました。
それでは、読んでみた感想などを書きます。
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高校生のころ、ナスターシャ・キンスキー主演の『テス』を見ました
私にとって、『テス』と言えば、最初に思い浮かべるのは、1970代に制作された、ナスターシャ・キンスキー主演の映画です。ナスターシャ・キンスキーの美しさに、うっとりしてしまいました。
今回、借りてきた本の挿絵にも、この映画の場面が使われていました。
ナスターシャ・キンスキー (出演), ピーター・ファース (出演), ロマン・ポランスキー (監督)
あらすじを知りたい方は、こちらから、どうぞ。テス (映画) ウィキペディア
高校生のころ、古い映画を安く見せてくれる催しがあり、秋田県民会館で、友達と数人と見に行きました。
友達の感想が、「女の人の人生って、ちょっとしたことで、狂ってしまうのね(涙)。」だったのに、私の感想は、「どうして、テスは、アレックじゃだめなの?かっこいいし、お金もちだし。」だったので、仲間からドひんしゅくを買ってしまいました。
読んでみた感想: 英語学習的には
"Oxford Bookworms"シリーズ、レベルがステージ6で、語彙量は2500語です。ほとんど、わからない単語もなく、途中、嫌になりながらも、なんとか1日で読みました。ステージ6の本が読めたので、少し自信がつきました。
準1級の検定対策のときに、覚えたイディオムが、いくつか文中に出てきたのが嬉しかったです。テスのセリフに何度か、"I wish I had never been born."「生まれてこなければよかった」という言い方が出てきて、仮定法やwishの使い方が苦手な私は、勉強になるなあ、と感動したりして。
(英語) ペーパーバック – 2008/1/10
Thomas Hardy (著)
こちらは、CD付きの本です。
OXford Bookwormsは、英語学習者用の本で、教科書的にも使えるので、本の後ろに、練習問題がついています。でも、私は、こんな暗い、後味の悪い話を、先生といっしょに勉強するのは、嫌だなあ。
一人でCDを聞いて、後について音読するのも、抵抗があります。
読んでみた感想: ストーリー的には
初めて『テス』を映画で見てから、だいぶ月日は流れ、私も大人になったので、アレックじゃだめな理由、というか「英国ビクトリア朝の貞操感」について、少しは理解できるようになりました。
今回、本を読んで、テスは、アレックを最初から嫌いだと言いながら、実は好きだったのではないか、と思いました。本当にアレックが嫌いだったら、二人きりにならないように、とことん避けるだろうし、無理矢理、関係を持たされたら、その時点で、家に帰るだろうし。でも、テスは、情婦にされてもアレックの屋敷に、しばらく滞在しています。
アレックは、お金持ちで、映画では体格がよくて、見た目も悪くなかったです。メスは、狩りが上手で、獲物をいっぱいとってきて、自分と子供を養ってくれそうな、生活力のあるオスに惹かれるので、テスは本能でアレックが好きになったというか、肉体的に受け入れ可能だったのでは?
生物学的には、自然なこととはいえ、女性が男性に肉体的に惹かれるなど、当時の英国でいうかは、口に出すのはもちろん、意識することすら、「罪」なので、テスも絶対に認めたくなかったのでしょう。
当時の思想にしたがって、清く正しくいたかったテスは、アレック(=肉欲の罪を見せつける対象)からどうしても逃げられないと知ったとき、殺すという手段に出てしまったのではないかと、ワタクシは思います。
本を読むと、アレックも、テスが本当に好きだったようです。だったら、初めから「結婚」という言葉を出し、当時の風習にしたがって、お付き合いすれば、殺されなくてすんだのに。
ま、こういう、清く正しくありたい女の人の気持ちが、わからない男の人が多いから、小説なり、ドラマなり、多く生まれるのでしょうね。(あ、エンジェルについては、無視の感想になってしまいました。)
追 記
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