地球に暮らす日々

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シンガポール あっさり食べたいときにヨントーフ(酿豆腐)

      2016/08/29

yongdofu

ホーカーやショッピングセンターのフードコートで、食べられるお手軽メニューです。「yong tau fu」か「 酿豆腐」という看板でお探しください。

お店の前に並べてある、様々な食材から、いくつか選んでお椀に入れ、お店の人に渡すと、お店の人が茹でて、調理してくれます。

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私的ヨントーフの食べ方

私がよく選んでいた食材は、以下のとおり。

1.葉野菜(白菜、青梗菜、豆苗など)
2.きのこ類(しいたけ、えのきだけなど)
3.ゆでたまご
4.あげ餃子、あげワンタン
5.乾燥のり
6.白身魚のつみれ、もしくはオクラや唐辛子などの野菜に魚のすり身が挟んであるもの
7.麺類(私は、つねにライスヌードルをセレクト)もしくは、ごはん。

たいてい、スープ麵にすることが多かったです。飽きがこないあっさり味が気にいっていました。刺激がほしいときは、ゆであがった具を、唐辛子などのソースをつけて食べていました。私といっしょにお昼ご飯を食べていた、日本人の同僚は、本当に、毎度ヨントーフを注文していました。

この料理もまた、注文した人の数だけ、バリエーションが存在します。
以下のグーグル検索画像をご参照ください。
yong tau fu singapore

スープなしにしたり、スープをラクサ味にするのも、わりとオーソドックスな食べ方の模様です。

ところで何で「酿豆腐」という名前なの? ヨントーフのルーツを探る

豆腐も食材の一つとして選択できますが、脇役中の脇役です。なのに、なぜ「酿豆腐」という名で売られているのでしょうか。そして、この白身魚のつみれ、もしくは、すり身を詰めてある野菜が、「ヨントーフ」の特色と推測しますが、豆腐には見えません。いろいろネットで調べていくと、「酿豆腐」は、中国の客家料理であることが判明しました。

「酿豆腐」というキーワードで、グーグルを検索すると、こんな画像が出てきます。
酿豆腐

あ、あれ、スープ麵がでてきません。ひき肉や魚のすり身を挟んだ野菜がメイン。スープ仕立て麵入りは、シンガポールもしくはマレーシアのアレンジのようです。ちなみに客家のオリジナル「酿豆腐」はこちらのとおり。
客家酿豆腐

えー、原型はこれだったんだ。中国広東省に住んでいたころ、よく食べていました。なつかしい。この料理の名前が、「酿豆腐」?へええ、としばし感動していました。

いわゆる豆腐のひき肉詰めです。それを、醤油ベースの汁でことこと土鍋て煮た、こってりコクのあるお料理です。白いご飯のお供に最高。ゴーヤにひき肉を詰めた、「酿苦瓜」という料理もあります。「酿」は、肉・魚・エビなどの餡を詰めるという意味だそうです。

もともと豚肉の餡だったのに、マレー半島に渡ると、白身魚や蝦のすり身餡になってしまうという。私の推測ですが、マレー半島には、イスラム教徒が多いので、豚肉の餡では、商売として成り立たなかったのではないでしょうか。そして、白い豆腐に、鶏肉や魚の白っぽい餡を詰めると、美しくないし、ぼやけた味になるので、色鮮やかな野菜に白い餡を詰めるのが主流になっていったのでは? 

実は、客家の「酿豆腐」も、ある料理の代替料理として生まれた

客家の「酿豆腐」について、中国のウェブサイトをいろいろ読んでいると、「酿豆腐」の起源は、餃子だったと知り、さらに驚きました。餃子の皮の原料、つまり小麦が手に入りにくかったので、代わりに豆腐を用いたのが、「酿豆腐」の由来だそうです。

客家はもともと、中国の黄河流域に住んでいた漢族の人々です。度重なる戦乱や飢饉から逃れるために、南方へ移り住みました。山岳地帯に移った一族は、城壁のように四方を囲んだ巨大な集合住宅を建て、土地の人たちを避けるように、独自の文化と風習を守って生きてきました。

北方の漢族は正月に餃子を食べます。南方は米を栽培する地域で、小麦がほとんど取れません。それで、正月を祝うために、小麦の皮の代わりに、餃子の餡を豆腐に詰めたということだそうです。豚肉も、豆腐も自給自足で手に入りますものね。そういえば、客家の土楼(集合住宅)で、豚を飼ってたなあ。
(よろしかったら、こちらの記事もどうぞ。
中国福建省 客家土楼を訪れ、平安と戦乱の歴史を感じる旅

おわりに

シンガポールで、あっさりしたものが食べたいから、野菜のたくさん入った、スープ麵のヨントーフを食べていました。しかし、この食べなれた料理、起源をたどっていくと、「豆腐のひき肉詰め料理(酿豆腐)」、さらに、たどっていくと、「餃子」に行きつくというのには、本当に驚いてしまいました。

客家が、最初に、南へ移動し始めるのが、紀元4世紀のころからですから、餃子がシンガポールのヨントーフに変化するまで約1700年かかっています。

ヨントーフ、ホーカーのお手軽チープな料理だとばかり思っていたのに、実は、さまざまな民族のさまざまな歴史に翻弄された、重みある料理だったのです。






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